🎉第26回東京フィルメックス授賞式レポート:最優秀作品賞は『サボテンの実』!

「第26回東京フィルメックス」の受賞結果が、11月29日(土)に有楽町朝日ホール(千代田区有楽町2-5-1有楽町マリオン11F)にて開催された授賞式で発表されました。

写真向かって左側から:神谷直希(プログラムディレクター)ラモン・チュルヒャー(国際審査員)Glenn BARIT(タレンツ・トーキョー・アワード受賞者)内山拓也監督(審査員特別賞『しびれ』)マティアス・ピニェイロ(国際審査員)ソン・ファン(国際審査員)

【第26回東京フィルメックス 開催概要】

  • 期間:11月21日(金)~11月30日(日)開催
  • 会場:有楽町朝日ホール、ヒューマントラストシネマ有楽町
  • 公式サイトURL:https://filmex.jp

授賞式には、神谷直希(プログラムディレクター)、国際審査員(ソン・ファン、マティアス・ピニェイロ、ラモン・チュルヒャー)、審査員特別賞受賞者である内山拓也監督らが登壇しました。学生審査員として熊谷萌花氏、永山凛太郎氏、Paula GEORGIEVNA氏も登壇しました。

コンペティション部門では、気鋭のラインナップから<最優秀作品賞><審査員特別賞><学生審査員賞>が選出されたほか、<観客賞>の発表も行われました。

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【主要受賞結果】

最優秀作品賞:『サボテンの実』(ローハン・パラシュラム・カナワデ監督)

栄えある最優秀作品賞は、ローハン・パラシュラム・カナワデ監督の『サボテンの実』に決定しました。

選考理由として、審査員は「私たちの心を強く揺さぶった1作品」であり、「抑圧と宗教的厳格さに特徴づけられる社会のなかで、二人の青年が繊細な距離を縮めていく姿を描いた作品」であると説明しています。この作品の「静かなささやきは、誰もが自由に呼吸できる世界への力強い叫びへと昇華している」と評価されました。

カナワデ監督は会場に登壇できなかったものの、滞在先のロサンゼルス(LA)からビデオメッセージを寄せ、「受賞の知らせにとても喜んでいます」「審査員のみなさん、『サボテンの実』を最優秀賞に選んでいただきありがとうございます」と感謝の意を伝えました。

審査員特別賞:『しびれ』(内山拓也監督)

審査員特別賞には、内山拓也監督の『しびれ』が選ばれました。

©2025「しびれ」製作委員会

審査員特別賞は「バランス感覚を体現する作品」に贈られるとされ、本作は「沈黙と家庭内暴力に満ちた人生を凍える空気の中で呼吸しながらも、撮影される身体の動きから独特の温もりを引き出す映画」であると評価されています。その「荒削りでありながら感動的な本作の感情」は、「不確実性を受け入れる過激な映像的視点から生みだされている」と評されました。

内山監督は会場に登場し、喜びを表明しました。監督は、全てのスタッフ、キャストの「美しい仕事」を誇りに思うと述べ、この映画が監督自身の個人的な経験に根差していることを明かしました。また、本作は田舎の貧困層に生きる少年の姿を映し出しながら、「経済的なことのみならず、社会のあらゆる階級に生きる心の貧困の存在、その存在に光をあて、祝福することを目指した」と語りました。

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観客賞:『左利きの少女(原題)』(ツォウ・シーチン監督)

観客の投票によって選ばれる観客賞には、ツォウ・シーチン監督の『左利きの少女(原題)』が輝きました。

©2025 LEFT-HANDED GIRL FILM PRODUCTION CO., LTD ALL RIGHTS RESERVED

シーチン監督は登壇が叶いませんでしたが、ビデオメッセージで東京フィルメックスと作品を選んだ観客へ感謝を伝え、「この物語は台北での思い出から生まれました。東京でも共感していただけたことに、心から感謝しています」と述べました。

学生審査員賞/スペシャルメンション:『枯れ葉』(アレクサンドレ・コベリゼ監督)

アレクサンドレ・コベリゼ監督の『枯れ葉』は、学生審査員賞スペシャルメンションをダブル受賞しました。

学生審査員による選考理由では、「Lo-Fiな映像によって絵画のように形や色が立ち上がる美しさ」と、その中に存在する人、動物、車が奥行きを感じさせる点が評価され、「何かが映っている、動いている、それを見ることが映画なんだと思わされました」とコメントされています。

スペシャルメンションの選考理由としては、この作品の「独創性と探究精神」に深く感銘を受けたとし、「独自の創造的視点、詩的な映像言語、そして瞑想的ともいえる物語の語り口によって、本作は映画がもつ純粋な魅力を提示してくれています」と述べられました。

コベリゼ監督もビデオメッセージで、学生審査員が選んでくれたことを「大変光栄」とし、自身の作品が気に入られたことを喜ぶメッセージを寄せました。

授賞式の締めくくりと関連情報

授賞式では、各賞の発表に加え、関連企画<Talents Tokyo 2025>から「タレンツ・トーキョー・アワード」の受賞者報告も行われました。なお、タレンツ・トーキョー・アワード受賞者のGlenn BARIT氏は、授賞式後のフォトセッションに登壇しました。

国際審査員を代表して、ラモン・チュルヒャー氏が総評を述べました。チュルヒャー氏は、今回のコンペティションが「非常に豊かな多様性を持ったアジア映画を旅することができた」素晴らしい時間であったと振り返り、「それぞれの作品のユニークな声、アーティスティックな個性と出会ったことも素晴らしかった」と評価しました。彼は、人生における光のみならず、闇や影、両方が描かれている作品が多かったことは「非常に重要なこと」であるとし、最高の芸術である「シネマ」を共に祝福したいという温かいメッセージで授賞式を締めくくりました。

なお、映画祭最終日の11月30日(日)には、ユン・ガウン監督の新作『The World of Love(英題)』の上映を記念したトークイベントが行われます。

『わたしたち』から『The World of Love(英題)』へ:ユン・ガウンが見つめる少女たちの世界
日時:11/30 (日)10:30~11:45(開場10:15)
会場:有楽町朝日スクエアB(千代田区有楽町2-5-1有楽町マリオン11F)

■その他、上映後のQ&A一覧

1)『煙突の中の雀』 ゲスト:ラモン・チュルヒャー監督
日時:11/30 (日)13:04~約20分間 会場:有楽町朝日ホール(千代田区有楽町2-5-1有楽町マリオン12F)

2)『市街戦』 ゲスト:モーリー・スリヤ監督
日時:11/30 (日)16:30~約20分間 会場:有楽町朝日ホール(千代田区有楽町2-5-1有楽町マリオン12F)

3)『手に魂を込め、歩いてみれば』  ゲスト:セピテ・ファルシ監督
日時:11/30 (日)19:30~約20分間 会場:有楽町朝日ホール(千代田区有楽町2-5-1有楽町マリオン12F)


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