<ストーリー>
2013年のドラフト会議で阪神タイガースに2位指名された横田慎太郎、18歳。甲子園出場を逃すもその野球センスがスカウトの目に留まり、大抜擢された期待の新人だ。持ち前の負けん気と、誰からも愛される人間性で厳しいプロの世界でも立派に成長を遂げていく慎太郎。2016年の開幕戦では一軍のスタメン選手に選ばれ、見事に初ヒット。順風満帆な野球人生が待っていると思われたその矢先、慎太郎の体に異変が起こる。ボールが二重に見えるのだ。医師による診断結果は、21歳の若者には残酷すぎる結果だった。脳腫瘍―。
その日から、慎太郎の過酷な病との闘いの日々が始まる。ただ、孤独ではなかった。母のまなみさんら家族、恩師やチームメイトら、慎太郎を愛してやまない人たちの懸命な支えが彼の心を奮い立たせるのだった。そして、2019年9月26日、引退試合で慎太郎が魅せた“奇跡のバックホーム”は人々を驚かせ、感動を呼んだ。だが、本当の奇跡のドラマは、その後にも続いていたのだった…。

©2025「栄光のバックホーム」製作委員会
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<横田慎太郎さん プロフィール>
1995年6月9日、鹿児島県生まれ。ロッテなどで活躍した元プロ野球選手の横田真之さんを父に持ち、鹿児島実業高校時代にはチームの中心選手として活躍。2013年のドラフト会議で2位指名され、阪神タイガースに入団。期待のホープとして芽を出し、プロ入り3年目で開幕スタメン入りを果たす。2017年の春季キャンプ中に脳腫瘍が判明し、翌年から育成選手となる。2019年に現役を引退する。引退試合で見せた、センターからの矢を射るような返球は“奇跡のバックホーム”として、今も語り継がれている。引退後は講演やYouTubeでの活動で多くの人に勇気を与え続けた。2023年7月18日、神戸のホスピスで家族に看取られながら28歳でその生涯を閉じる。
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製作総指揮 : 見城 徹 / 依田 巽
原作 : 「奇跡のバックホーム」横田慎太郎(幻冬舎文庫)
「栄光のバックホーム 」中井由梨子(幻冬舎文庫)
脚本 : 中井由梨子
企画・監督・プロデュース : 秋山 純
ゼネラルプロデューサー : 三田真奈美 プロデューサー : 小玉圭太
出演 :松谷鷹也 鈴木京香
前田拳太郎 伊原六花 ・ 山崎紘菜 草川拓弥
萩原聖人 上地雄輔
古田新太 加藤雅也 小澤征悦
嘉島 陸 小貫莉奈 長内映里香 長江健次 ふとがね金太
平泉 成 田中 健
佐藤浩市 大森南朋
柄本 明 / 高橋克典
主題歌 : 「栄光の架橋」ゆず(SENHA) 配給:ギャガ
【母お手製の野球ボール】
初めてのボールは、母が新聞紙を丸めてガムテープで巻いたものだった。
主人公、横田慎太郎の母である横田まなみさんを演じるのは鈴木京香。
この「しんたろうのボール」を作った日から母と子は共に同じ夢を見て、最後は共に病と闘った。
鈴木が、野球場にひとりで立ち、ホームを見つめる冒頭のシーン。
ナレーションとして流れる鈴木のセリフに、すでに涙があふれる。
キャッチコピーは「全ての横田慎太郎に捧ぐ」
しかしこの物語は「全ての母に捧ぐ」と言ってもいいだろう。
【鹿実のヒーロー横田慎太郎】
この作品はクライマックスと言えるシーンがいくつも登場する。
一回目は、名門鹿児島実業(通称:鹿実)のエースとして甲子園出場をかけた決勝戦だ。
野球のルールをまるで知らない筆者も、前のめりになって祈った。
しかし…甲子園には行けなかった。
この試合が、悔しさの中にも希望を捨てない慎太郎の原点だったかもしれない。
ドラフト当日、ランニングをしている慎太郎。
そして阪神の2位指名。先述の決勝戦で慎太郎を見つめる一人のスカウトマンがいたのだ。
萩原聖人演じる田中秀太。彼はこの先ずっと慎太郎を見守り続ける存在となった。
慎太郎は記者会見で緊張し、「ふさわしい」を「不甲斐ない」と言ったことから、
寮に入ってから、先輩たちにからかわれ、そして可愛がられていく。

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【期待に応えたい】
勝負の3年目。この頃から、慎太郎の顔つきも変わってくる。
大好きな野球は「仕事」となり、「期待に応えたい」という思いが強くなる。
帰省した際に、思いを寄せる同級生に、開幕試合を見に来てほしいと告げる。
「ホームランを打つから」という彼は純情な青年の一面を垣間見せた。
しかし、年明けのキャンプから彼は目に異変を覚える。診断は脳腫瘍であった。
医師から野球を一旦忘れるように言われた。
慎太郎は「野球がしたい。野球ができるようにしてください」と医師に懇願。
10時間を越える大手術に耐え抜いた。腫瘍は取れた。
しかし…視力が回復しない。心配する球団関係者。
そしてネット上でもさまざまな憶測がささやかれていた。
【母としてあるべき姿と、周囲の人たちの支え】
いつも優しかった慎太郎が病院の屋上で感情を爆発させるシーンがある。
「命が助かっても野球ができないんじゃ意味ないんだよ!」
打ちひしがれた息子に対して、叱咤するでもない。慰めるでもない。ただ、母は言う。
「未来のことはわからない。分からないから自分で決めなさい」
この一言に、母の偉大さが集約されている。
もうひとつ、印象的なシーンを挙げたい。
雨の中、素振りを続ける慎太郎にスカウトの田中(萩原聖人)がやってくる。
ここも大きなクライマックスだろう。
「野球は自分の人生そのものだ」と子どものように泣きながら気持ちを伝える慎太郎。

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そして彼の中で起きた気持ちの変化を、田中が受け止める。
この後、慎太郎は引退を決意する。
引退試合、彼は勝つために、自分を一番活かせるポジションであるセンターへ向かう。
この時、ボールが二重に見え、視界から消えててしまう恐怖に怯えながらも彼は掴み取った。
命をかけてホームへ返球した。これが奇跡のバックホームと呼ばれるものだった。

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彼はコロナ禍でも「自分に勝つ」と治療を続け、病と一進一退の格闘をする。
その姿こそが奇跡である。彼は多くの人を勇気づけるために講演活動も続けた。
歩けなくなるまで続けた。
最後の一瞬まで戦い抜いた慎太郎と家族の姿は「奇跡」から「栄光」に変わっていった。
小学生にも観てほしいと思う。そしてできれば家族で劇場で観てほしい。
映画館を出た後、家族の絆について改めて考えさせられる作品だ。
横田慎太郎の「一歩でも前へ」という信念が、あなたに届きますように。

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11月28日(金) TOHOシネマズ 日比谷 他 全国ロードショー