応募数、史上2番目の795本!10代の応募は前年比1.5倍
9月6日(土)より、国立映画アーカイブで開催となる「第47回ぴあフィルムフェスティバル2025」の自主映画コンペティション「PFFアワード2025」が3月23日(日)に締め切りを迎え、前年比103本増となる795作品のご応募をいただきました。

800本に迫る今回の数字は、1999年の914本に次いで、PFF史上2番目に多い応募数です。(会場と会期の変更に伴い前年の開催がなく、1999年は2年分の応募が集中した年でした)
中学生、高校生らまだ見ぬ若い才能に出会うべく、昨年から実施している10代に向けた「出品料無料化」が功を奏し、10代、20代からの応募も増加しています。無料対象の19歳以下の応募は前年比156%になり、中には1人で7作品を応募した10代の監督も。さらに、25歳以下の応募数も前年比113%となり、2年連続で総応募数100本増加を記録しました。
応募作の795作品は、17名のセレクション・メンバーにより作品選考がスタートしており、2回の選考会議を経て、7月上旬に入選作品を発表する予定です。昨年は、史上最年少14歳の中学生の作品が入選するなど、新たな発見のあったPFFアワード。今年はどんな才能が飛び出すのか、どうぞご期待ください。(プレスリリースより)
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さて、筆者は今年2つの映画祭に関わりました。
自分からは見ようとしない作品からの気付きも多く、しかしその一方で若手クリエイターの撮影リテラシーに対する危うさも感じています。
筆者はドキュメンタリー考察が専門なので、ありのままを写さないといけないという監督たちの気持ちは分かるのですが、明らかに視聴者に不快感を抱かせる作品もありました。
それはホームビデオで残しておくべきではないかと。そこに発信の意味はあるのかと。
また、YouTubeなどの台頭で年々、刺激が強い作品が増えているのも懸念理由のひとつです。自己満足であるのか、今このテーマを発信するための力が自分にはあるのか、足りていないのなら、何か必要なのか、問い続けて作品に取り組んでほしいです。
映画とは何か、あるいはドキュメンタリーとは何か。
同じ「撮る」という行為の陰に野心があるものはすぐに分かります。
逆に「届けたい」という思いがある作品もすぐに分かります。
画面からミストシャワーのように届けられる熱量を、考察のプロは見抜きます。
手振れの多いスマホ撮りは視聴者に不親切であり、早口でテロップ無しでは理解できないもの、それらは筆者の中で疑問としてあり続けています。
SNSの普及で中学生がスマートフォンを持つのは当たり前となり、その中で特にInstagramなどはリール動画作成などが簡単にできます。
入口が簡単に突破できれば中学高校生はどんどん高度な動画作成スキルを身に付けます。
また、それを見知らぬ人に評価されることで、自己肯定感を持てるのだとしたら「動画ばかり見てないで!」と、親も一概に言えなくなってきます。
しかし、ここで気になるのは、先述のリテラシーです。
良い作品を撮りたいがために周囲が見えなくなってしまう10代は少なくありません。けっしてこのPPFに応募する10代がそうであるとは思いません。
また、若い才能発掘に踏み切ったこの映画祭は多くのチャンスを与えてくれました。喜ばしいことです。
街中での撮影は映る人に配慮する、夜中に深夜徘徊となるような撮影は行わないなど、リテラシーを持った10代が、この歴史と栄誉あるPPFで選ばれることを願っています。
その時こそ、本当の意味で「新世代の躍動がはじまる」のです。
【「PFFアワード2025」応募データ】
<応募本数> 795本(前年比+103本)※史上2番目の多さ
<応募年齢> 平均年齢:30.3歳(前年比:-0.2歳) 最年少:13歳 最年長:72歳
19歳以下:67本(前年比+24本)
25歳以下:354本(前年比+39本)
<上映分数> 平均分数:29.7分(前年比:-3.7分) 最長:150分 最短:1分
<1名あたりの最多応募本数> 7本
文・ドキュメンタリー考察ライター 栗秋美穂